2017年

6月

23日

三木武吉~其の壱

昔は日本にも面白い政治家がいて、色々な逸話を残している──

現在では知る人も少ないが、三木武吉と云う政治家がいた。筆者の大好きな政治家である。

有名な話で、吉田内閣時の分裂選挙、所謂「抜き打ち解散」による選挙で、彼は対立候補から、次のような個人攻撃を受けた。 

「名前は云わないがある有力候補の如きは、妾を四人も持っている。かかる人物が、国政に関与する資格があるだろうか?」と。

立会演説会だったので、三木武吉もその場にいた。

次に登壇した三木は少しも慌てず、

「わたしの前に立ったある無力候補が、『ある有力候補』と申したのは、不肖この三木武吉であります。なるべくなら皆さんの貴重なる一票は、先の無力候補よりは、有力候補たるこの三木武吉に、と、わたしは考えます。

なおここで、先の無力候補の数字的間違いを訂正しておきます。先の無力候補は、わたしに四人の妾がある、と申されましたが、事実は五人であります。五を四と数え間違える如きは、小学校の一年生といえども恥とすべきであります。

ただしこの五人、今日ではみな老来廃馬とあいなり、役には立ちません。が、これを捨て去るが如き不人情は三木には出来ませんから、みな今日も養っております」

時代が時代だけに、いささか差別的な表現もあるが、この三木武吉と云う政治家の面白味は分かっていただけたのではないかと思う。

2017年

6月

23日

『虞美人草』連載開始の日のひとりめし

1907年(明治40年)の今日、朝日新聞紙上において、夏目漱石による『虞美人草』の連載が開始された。

同年2月に一切の教職を辞して朝日新聞社に入社し、職業作家としての道を歩み始めた漱石にとって、その第1作となる作品であった。

作品は大好評を博し、連載は10月二十九日まで続けられた。連載中、三越百貨店は“虞美人草浴衣”を売り出し、某宝飾店は“虞美人草指環”を発売して、売上げを伸ばした、と、云う。

漱石の作品中でも、“失敗作”、“二流の作品”と位置付けられる『虞美人草』だが、その“失敗”たる所以、“二流”であることの理由は、いまだ明確に分析綜合されていない。散作によると、課題・問題として、意識の俎上にも上っていないだろう、と、云うことである。いわんや、“失敗”であり、“二流”でありながら、なおそこに潜んでいる思想の奥深さ、その魅力においておや、で、ある。

散作が、「いずれそのことも書かにゃあな」と、のたもうているが、はてさて、いつのことになるのやら……。

もちろん、そのことと、わたいの食卓を飾る献立とには、なんらの関連もない。なんの変哲もない、いたって平凡な献立である。

ところで、今年は、漱石生誕、150周年である。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、野菜ジュース、バナナ

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2017年

6月

22日

憲政党結党の日のひとりめし

1898年(明治31年)の今日、板垣退助率いる自由党と、大隈重信率いる進歩党が合同して、憲政党が誕生した。

当時政権の座にあった伊藤首相をはじめとして、いわゆる藩閥政治家の代表者たちにとっては、一大敵国とも云うべき勢力の誕生であった。

これにより、従来のいわゆる藩閥政治に限界を感じ、みずから新党結成を目論んでいた伊藤は、内閣総辞職を断行し、ここに日本史上初の政党内閣、いわゆる隈板内閣が成立したのである(隈板内閣の成立は、同年同月の30日)。

この内閣の命脈は、わずか132日(約4ヶ月)しか保たなかったが、それでも宇野内閣よりは長続きした。

もちろん、そのことと、わたいの食卓に並ぶ献立とには、なんらの関連もない。

相も変わらずの献立で、下手な内閣より長持ちしていることだけは、たしかである。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、野菜ジュース、バナナ

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2017年

6月

21日

スナックの日のひとりめし

今日は夏至であり、“スナックの日”である。

今日がなぜ、“スナックの日”であるか、と、云うと、「夏至の日に、餅を固くして食べる『歯固』という習慣があった」とにちなみ、スナック菓子のメーカーが提唱したことに由来するらしい(Wikipediaより)。

ちなみに、他のwebsiteを閲覧してみると、「歯固」とは、正月、若しくは生誕後100日目の行事であるらしい。

それがなぜ、夏至の日に記念日として制定されたかについては、わたいの知るところではない。

もっとも、「歯固」が、夏至の習慣であろうが、正月の儀式であろうが、わたいの食卓に並ぶ献立とには、なんらの関連もない。

今週は生野菜サラダがない。去る土曜日に購入した野菜の残存量によるものである。晩食用の野菜サラダだけで、なくなってしまったのである。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、野菜ジュース、バナナ

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2017年

6月

20日

球戯場の誓いの日のひとりめし

1789年の今日、ルイ16世治下のフランスにおいて、三部会の第三身分議員がヴェルサイユ宮殿の球戯場に集まり、憲法制定まで解散しないことを誓い合った。世に云う、“球戯場の誓い”あるいは“テニス・コートの誓い”である。
2017年の今日、某国の総理は在任中の憲法改正を目して力みかえっているようであるが、いわゆる改憲推進派の人々が今日集まるとしたら、どこに集まるのだろうか? この時季に相応しく、若々しい学園ドラマのイメージで、森友学園か、加計学園ではどうだろうか? 総理や官房長官はじめ、与党のみなさんにピッタリだと思うのだが……。
もちろん、そのことと、わたいの食卓を飾る献立とには、なんらの関連もない。
疑惑とも隠蔽とも忖度ともまったく関連のない、家宅捜査も国策捜査も受けるはずもない、いたって平穏な献立である。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、野菜ジュース、バナナ

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