三木夫妻は戦中戦後の時期、武吉の故郷高松や小豆島で暮らしていた。
その頃病弱になっていたこの一歳年上の妻の面倒を、武吉はよくみた。常に傍に付き添い、なにくれとなく気を配った。
その様子を目の当たりにした土地の人々は、
「まったく、三木先生ほど情愛の深い人はいない。あの様子を見ていると、私たちも家内をいたわらなければいかん、という気になる」
と、口々に言い交わしたものである。
三木夫妻は戦中戦後の時期、武吉の故郷高松や小豆島で暮らしていた。
その頃病弱になっていたこの一歳年上の妻の面倒を、武吉はよくみた。常に傍に付き添い、なにくれとなく気を配った。
その様子を目の当たりにした土地の人々は、
「まったく、三木先生ほど情愛の深い人はいない。あの様子を見ていると、私たちも家内をいたわらなければいかん、という気になる」
と、口々に言い交わしたものである。