スターリン批判が最高潮に達した頃、赤の広場の廟にある彼の遺骸を、別の場所に埋葬し直すことになった。埋葬場所をめぐって議論になったとき、イスラエルから、
「イスラエルを承認してもらえれば、スターリンを埋葬して差し上げますが」
と云う申し出があった。
最高幹部会議は、渡りに舟とばかりに、その申し出を受諾しようとしたが、フルシチョフが猛烈に反対した。
「何と云われようと、世界中で、イスラエルだけは絶対に認めん!」
「同志フルシチョフ、なぜそんなに反対なさるんです?」
「あそこでは死者が復活する恐れがある」