文化財防火デーの日のひとりめし

1949年(昭和24年)の今日、奈良法隆寺金堂壁画が、火災により焼損した。
これをきっかけに、「文化財を火災や震災から守るとともに、文化財愛護思想の普及高揚を図る目的で、1955年に文化財保護委員会(現文化庁)と国家消防本部(現消防庁)が制定」した(「Wikipedia」より)。
文化財も、生き物の命とおなじく、いったん消失したら、取り返しがつかない。
悠久の歴史を経、幾多の人々に愛され、育まれ、また数多の人々の精神を安らげ、涵養し、尊厳を与えてくれる文化財は、単なる好事家の骨董趣味や衒学家のインテリ趣味などの対象とは根本から異なっており、ときに民族国民のアイデンティティーそのものですら、ある場合がある。
その貴重さを理解できない凡俗な輩が多いことは、まことに慨嘆に堪えない。
もちろん、そのことと、わたいの食卓に並ぶ献立とには、なんらの関連もない。
文化などとは、まるで無縁の献立である──と、思われるかも知れないが、わたいらが常日頃、あたりまえのように食している献立、目にする建築物、身に着ける衣服、等々、それらも先人より不断に受け継いできた歴史上の産物なのであり、立派な文化なのである。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、半熟卵(2個)、プレーン・ヨーグルト、コーンクリーム・ポタージュ、野菜ジュース、バナナ

一口に、“豚肉の生姜焼き”と、云っても、料理り方は、各人各様、各家庭各店舗で、さまざまに違おう。
わたいの場合は、生姜をにんにくを、蜂蜜と料理酒と濃口醤油で溶いた漬けダレに、豚肉(たいていは小間切れ、たまに肩ロース)と、半月切りにした玉葱を漬け込む。最低でも一昼夜漬け込んでから、フライパンで焼く。このとき、油は引かない。肉の油と漬けダレで焼く。強火でサッと火を通すと、中火~弱火にして、肉の色が変わり、玉葱が飴色になるまで焼く。色が着いたら火を止め、蓋をして、しばらく(5分程?)味が馴染むのを待つ──、と、云う次第である。
生姜もにんにくも、すりおろしたのを使用するのが望ましいのだろうが、生来の無精者であるわたいは、市販のチューブを使う。各々の調味料の量も、目分量(早い話が、適当)である。
だから、料理るごとに、味が変わるのかもしれない。まぁ、それはそれで、変化があって、おもしろい……と、強がっておこう。

 

献立:麦飯(海苔とたまごのふりかけ)、豚肉の生姜焼き、ブロッコリの塩昆布あえ

量は多かった(丼約1杯半)ものの、調味料の配合が上手く行ったと見えて、随分あったまった。やはり寒いときは粕汁に限る。
チンゲン菜と油揚げの煮浸しも、だし醤油を使ったおかげでか、さして鹹くなかった。いい感じである。

 

献立:玉子麦飯、粕汁(鮭、鰯のつみれ、麩、大根、人参、白菜、長ねぎ、糸こんにゃく、油揚げ、ニラ、もやし、貝割)、チンゲン菜と油揚げの煮浸し、納豆、味付海苔