古畑任三郎の誕生日のひとりめし

今日は一世を風靡した人気TVドラマ、『古畑任三郎』の主人公の誕生日である。古畑任三郎は、警視庁刑事部捜査一課の刑事で、階級は警部補。演ずるのは、田村正和。
鼻にかかったような独特のしゃべり方と、慇懃無礼とも云える応接、そして、“倒叙もの”と云われるそのドラマ構成により、“和製コロンボ”と、称されたものである。
実際、犯人役に社会的地位の高い人物(いわゆるエスタブリッシュ)を設定して、大物俳優や意外な人物を配したり、「犯人はだれか」よりも、「どうしてバレたのか」を興味の中心に据えたところなども、まさに、“和製コロンボ”である。
それが単なるモノマネ、パクリにならず、当時の日本のTVドラマにはなかった、独自の魅力と質の高さを作り出しており、その企画力、演出力、脚本力には、瞠目したものである。
もっともそのことと、わたいの食卓を飾る献立とには、なんらの関連もない。
若干新味が出たようではあるが、なんのことはない。バナナがなくなったのは、買い忘れたためだし、スープが出たのは寒くなったため、卵が3個になったのはサイズが小さいためで、固茹でになったのは、バタバタしていて、いつもより煮すぎたためである。

 

献立:トースト(6枚切り×2枚)、固茹で卵(3個)、プレーン・ヨーグルト、オニオン・コンソメ・スープ、野菜ジュース

さばの塩焼きは、近所のスーパーで買ってきたものである。セコイことを云うようだが、半額で149円はいかにも廉い。もう1切買えばよかった。
諸般の事情により、2日続けて白飯の弁当になった。なんだか凄い贅沢をしているようで、いささか気が咎める。
戦後の諸事情を知り、『七人の侍』を観た身にすれば、当然の感情だと思うのだが、どうもいわゆる“ふつうの人”の“ふつうの感覚”では、理解に苦しむらしい。
なにしろわたいの母親でさえ、
「あんた、戦後の生まれやろう」
と、呆れるぐらいである。
そんなわたいの感性からすれば、カボチャの煮物も、立派な、ご馳走である。

 

献立:白飯(海苔とさけのふりかけ)、さば塩焼き(1切)、カボチャの煮物